
先日、日本中医鍼灸研究会に参加してきました。
金子朝彦先生の婦人科、更年期の回です。
更年期における子宮内部の中医学的考察です。
以下に簡単にまとめてみます。
通常、子宮内部の気と血は同じ量になるように調整されています。
血が充足すると血の余りは気に変化し、相対的に気の量が多くなります。
するとこの不均衡を是正するために肝の疏泄作用が働き排卵、頸管粘液の排出が促され体温上昇が始まります。
更年期になると腎精が不足し精からつくられる血も不足します。
また腎と母子関係にある子宮の柔軟さも低下し多くの血を受け入れられなくなります。
このように子宮内の血が減少することで、血と同量を保とうとする気の量も減少します。
結果、子宮内が気血両虚となり妊娠能力が低下していきます。
子宮内の腎精が不足すると陰虚となり
膣の乾燥、萎縮、性交痛、排尿痛などの乾燥症状が現れます。
腎精の不足が続くと肝腎の陰虚、心腎陰虚となり
全身の乾燥、寝汗、便がかたい、気持ちが鬱々とする、集中力低下、寝つきが悪い、中途覚醒、不安感、五十肩、腱鞘炎、骨の変形などが現れます。
さらに陰虚に伴い陽が亢進するため、
ホットフラッシュ、めまい、動悸、情緒不安定など熱症状が現れます。
以上です。
つまり更年期の初期治療は腎精を補うことになります。
ただし、鍼灸院に来院する更年期の患者さんのほとんどが月経期間の短縮などの腎精不足を経てホットフラッシュなどの肝臓、心臓の症状を訴えるため、実際には腎臓、肝臓、心臓の治療を施すことになります。
今回は講演後の食事会でも色々と勉強になるお話を聞くことができました。
今週は中医学の勉強がさらに捗りそうです。
それではまた次回、、、